第325章 拒絶

その日の撮影は順調に進んだ。仕事が終わるなり、山口夏美は尋ねた。

「五明さんのほう、何か進展はありましたか?」

玉地慧子は首を横に振った。

「今日は一度も連絡がありません。今日の撮影、お疲れ様でした。とりあえずホテルに戻って休みませんか?」

山口夏美は送迎車に乗り込み、運転手にひとまずホテルへ向かうよう指示を出してから、五明温樹に電話をかけた。しばらくコール音が鳴り続けた後、ようやく五明温樹が電話に出た。

「山口夏美、俺は今、ある私有の荘園の外にいる。キム・テリがこの中でパーティーに参加しているんだ。彼女が出てきたら、必ず隙を見て脚本を売り込んでみせる」

山口夏美は少し考え込んだ...

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