第359章 彼女はわざとだ

山口夏美のアレルギー騒動を耳にし、監督も血相を変えて駆けつけてきた。

「中島結子、どういうことか説明してくれ」

 中島結子は目に涙を浮かべ、心配そうに山口夏美を見つめながら言った。

「お姉ちゃん、どうしてアレルギーなんて出ちゃったの? わたし、アシスタントにはピーナッツバターが入っていないものを買ってきてって、わざわざお願いしたのに……。もしかして、あのお店の調理環境が不衛生で、微量のピーナッツバターが混ざっちゃったのかしら?」

 玉地慧子は中島結子をキッと睨みつけた。彼女は絶対にわざとやったのだ。己の警戒心の甘さも恨めしい。最初から中島結子のアシスタントが買ってきたものだと知ってい...

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