第47章 屋台

二人が睨み合っていると、細川博がサークルのメンバーを連れてやってきた。

山田祥生が、みんなが来たらすぐ食べられるように、先に注文しておけと彼に言いつけていたのだ。

彼は一目で中島結子に気づいた。以前、中島結子を保健室へ連れて行ったことがある。保健室で目を覚ました彼女は、彼に優しく甘い言葉を囁き、彼を興奮させた。てっきり自分に気があるのだと思っていた。

「結子、どうしてここに?」

中島結子は振り返り、細川博だとわかるとほっと息をついた。

内心では少し見下していたが、今の細川博には利用価値がある。彼女は小走りで駆け寄ると、男の袖を掴み、もじもじと甘えた声を出した。

「急に焼き...

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