第50章 暗号:ラベンダー

中山琴子と木下七海は二人とも、恐る恐る中島結子の顔色を窺った。彼女も二人にプレゼントを買ってはくれたが、せいぜい数千円程度のものだ。

二人がさんざん中島結子をおだてて、ようやく小さなピアスを一つずつ買ってもらえることになった。合わせても一万円ちょっとで、山口夏美の気前の良さとは比べ物にならない。

中島結子は顔を真っ赤にして叫んだ。「買うわ! 全部いただくわ。これと、さっきの蝶々のセットも、両方包んでちょうだい」

店員は花が咲いたような笑顔で応じる。「かしこまりました! では、こちらの潰れてしまったものは、新しいものをお持ちしますか?」

「当たり前でしょ。壊れたものを人にあげる...

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