第76章 華麗な舞のドレス

十五夜まであと三日。今日は山口夏美がエイル・ダンススタジオで練習する最後の日で、この後からはリハーサルで忙しくなる。

山口夏美が最後のフィナーレのポーズを決め、ゆっくりと瞼を上げると、期待に満ちた眼差しで山口美崎を見つめた。一方の山口美崎は、感心した様子で彼女を見ている。練習で紅潮した頬、きらきらと輝く瞳。山口美崎は笑みを浮かべ、頷きながら拍手した。「確かに素晴らしいわ、夏美。あなたの成長は私の予想を超えていた。あなたが踊るのを見ていると、若い頃、私が初めて劇場の舞台に立った時のことを思い出すわ。あの頃の私も、今のあなたと同じように美しく若々しくて、活力に満ち溢れ、ダンスへの情熱を胸に抱...

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