第78章 最高のショー

番組が半ばに差し掛かった頃、山口夏美が突如腰から軟剣を抜き放ち、手首を返すや剣先で美しい剣舞を披露した。真っ直ぐに突き出された剣先は、冷たく鋭い光を放つ。観客席からは喝采と感嘆の声が絶えず、演技が終わっても、その拍手は長く鳴り止まなかった。岡本凜太郎は観客席の中央に座り、その目を一度も山口夏美から離さなかった。彼女はそういう人間だ。何をやるにしても全力を尽くし、完璧にこなす。美貌や家柄に頼ることもできるのに、彼女は自らの努力と才能で、人々を驚嘆させるほどのことを成し遂げる。その一点が、彼をますます彼女に惹きつけさせていた。

ダンス部の一同も、山口夏美の素晴らしいパフォーマンスと、観客た...

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