第98章 老人ホーム

「部長の言う通りよ! 私たちみたいな女子大生のほうが、スヌーカーサークルのむさ苦しい男連中より、お年寄りに好かれるに決まってるわ!」

当初こそ意気消沈していたダンス部の面々だったが、和田美咲の檄(げき)によって再び闘志を燃やし、午後の部での挽回を誓っていた。

一方、スヌーカーサークルのバス内は笑い声に包まれていた。最近の活動でダンス部を圧倒し続けているのだから、気分が良いのも当然だ。実のところ、山口夏美に頼まれて今日のボランティアに参加したものの、内心では退屈だと感じている者もいた。だが、ダンス部があの手この手を尽くしてもなお遅れを取っている様(さま)を見て、皆「来てよかった」と思い...

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