第4章
九条雅視点
テニス国際大会のメインコートは、熱気に包まれていた。私はVIP席で、人々の視線を集めるには十分なほど胸元の開いた、赤いオフショルダーのドレスをまとっていた。
けれど、私の視線はコートに釘付けだった。
冴島颯斗がウォーミングアップをしている。太陽の光が、彫刻のように鍛え上げられた彼の筋肉を照らし、きらめいていた。ラケットを振るたびに、その完璧な肉体美が見せつけられる。黒いスポーツシャツが胸に張り付き、力強い腕としなやかな首筋のラインを際立たせていた。
「いい体ね」と私は呟き、悪戯っぽく口笛を吹いた。
一流の感情暗殺者として、極上の獲物を吟味するのも仕事のうちだ。...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
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