第76話私はあなたのテリトリーじゃない

ブライオニー視点

「どういう意味?」私はセラフィーナのほうを向き直り、声が震えないよう奥歯を噛みしめた。

彼女は身を乗り出し、ミントの混じった吐息の匂いが分かるほど近づく。「簡単な話よ。普通の人間は王宮の居住区に近づくまでに、何年もかけて実績を積む。なのにあなたはどう?荷ほどきもろくに済んでないのに、女王陛下から直々の招待状。ねえ――おかしいと思わない?」声は低いのに、周囲の誰にでもはっきり届く音量だった。「点と点を結んでるだけ」

私は鼻からゆっくり息を吸った。ここで怒ったら、相手の思うつぼだ。

「アルファ王や女王陛下の招待の出し方に文句があるなら、食堂で私を尋問するんじゃなくて、本...

ログインして続きを読む