第176章

 翌朝、珍しく訪れた休日の朝。

 水原蛍はベッドから起き上がると、身支度を整えてから階下へ降り、ダイニングへ向かった。

 テーブルには三人の子供たちが並んで座っている。蛍は首をかしげた。

「お父さんは?」

 水原静留が入口のほうを顎でしゃくる。

「お母さん、ちょっと外見てきなよ。お父さん、知らない女の人とすっごく盛り上がってるよ。このまま行くと、お父さん取られちゃうかもね」

 蛍の脳裏に、高橋逸人の顔が浮かぶ。自分以外の異性には、基本ずっと仏頂面。女に取られるどころか、どっちかと言えば男に取られる可能性のほうがまだ説得力がある。

 ……とはいえ、そうは思いつつも、胸の奥にむくむ...

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