第232章

 唇をきゅっと結んだまま黙り込む新田未奈を見て、水原蛍は苦笑した。

「……あたしだって、そう簡単に誰かに自分のことを分かってもらえる人間じゃないんだろうね」

 実際、彼女は誰かに自分を分かってもらうことなんてできない。理解してもらうことなんて、なおさらだ。そう思えば、新田未奈は、自分に水原蛍を責める資格なんてあるのか、と胸のどこかで問い返す。

 新田未奈は目尻に浮いた涙をそっと指先で拭い、無理やり笑みを作った。

「蛍姉があたしのこと責めてないって分かっただけで、もう安心したよ。じゃあ、ゆっくり休んでね」

 言葉では本音を交わしたとはいえ――友情は、もう昔のままには戻らない。あの出来...

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