第237章

どれくらい時間が経ったのか分からない。店を出た時には、外はすっかり暗くなっていた。

水原蛍は少し迷ってから、太田まどかに電話をかけた。今、頼れそうなのは、彼女しかいない気がした。

「もしもし? 蛍、どうしたの? え、ちょっと、キル取らないでってば!……」

向こうの騒がしい音を聞きながら、水原蛍はスマホを呆れたように一瞥する。けれど、その喧噪に、少しだけ胸の重さが軽くなる。

「まどか、飲みたい。あんたと、ちょっと話したいの」

電話の向こうで、機械式キーボードを叩いていた音がぴたりと止んだ。

「……蛍? どうしたの?」

太田まどかはすぐに、水原蛍の様子がおかしいと察した。

水原蛍...

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