第238章

高橋逸人は小さく笑った。

「陽一、弟たち連れてもう寝なさい。お父さんは、もうちょっとだけ起きてるから」

子どもたちを見送ってから、高橋逸人はソファに身を投げ出した。

水原蛍と過ごしてきた日々の断片が、次から次へと胸の中に浮かんでくる。

気づけば、目尻がじわりと熱くなっていた。

やがて、カラン、と空になったボトルが床に転がり落ちる。

水原蛍と太田まどかは、そのままソファにごろんと倒れ込んだ。

床には飲み散らかした酒瓶がいくつも転がっている。

「はあ~、飲んだ飲んだ」

水原蛍が、口の端をぐいっと吊り上げて笑う。

ぼんやりとした視界の中で、太田まどかが水原蛍の横顔を見つめた。

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