第248章

姫宮浩原は口をぱくぱくと動かしたものの、結局ひと言も出てこなかった。さっきまで伝えたいことが山ほどあったはずなのに、水原蛍の言葉を聞いた途端、それらがどうでもよくなってしまったかのように。

水原蛍は、あの鍵となる物――鉱脈の所有権に関する原本書類を取り出した。

それをふたりに渡そうとして、封筒が一通紛れ込んでいるのに気づく。

胸の奥が、ぴくりと嫌な予感で揺れた。

この封筒こそが、姫宮玲衣がふたりを脅すために用意した切り札なのかもしれない。

だったら、ここで確かめるしかない。

水原蛍はふたりの目の前で封筒を抜き出し、書類だけを差し出した。

心の中の推測を裏づけるため、水原蛍はふた...

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