第259章

 家に戻ったとき、本当は彼女と話をするつもりだった。ところがいざ聞いてみれば、そもそも彼女は家に帰ってきていなかった。彼女だけじゃない、三人の子供たちの姿もない。

 高橋逸人は、三人の子供たちを彼女が連れていることだけはわかっていたから、身の安全そのものはさほど心配していなかった。

 何度か電話をかける。出ない。

 もう一度かけると、今度は電源が切られているという表示が出た。

 高橋逸人は、苛立ち紛れにスマホをソファへ投げ出し、天井を仰ぐ。――また、可愛い妻を怒らせてしまった。さて、どうしたものか。

 翌日。

 年越しが近づくにつれて、世間は一斉に休みに入り、みんな実家に帰り、正...

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