第264章

彼女はたしかに、一生分の栄華を味わいたいと思っていた。けれど──人を殺すなんて、これっぽっちも考えたことはなかった。

「もしかしてあんた、水原蛍が生きてるかぎり、自分が本当に高橋逸人を手に入れられるって思ってる? たとえ妊娠したって、水原蛍には子どもが三人いるのよ。高橋逸人がどっちを選ぶかなんて、考えるまでもないでしょう? それに、ひとつハッキリ教えてあげる。高橋逸人は、もうあんたの『処理』の仕方を考えてる。だって一度寝たんだもの、自分の子どもを妊娠されるのが怖くて仕方ない。だから、あんたをP国に送る計画を立ててるわ。あの国がどんな所か──あんたならよくわかってるはずよね」

水原羽はビク...

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