第268章

高橋逸人と水原蛍は軽く会釈し合い、そのままゲレンデの中へ入っていった。

「逸人、あたしと勝負しない? あたしたち、どっちもスノボ派でしょ」

「いいな。ちょうどいい、何年ぶりかでおまえの腕がどれくらい落ちたか見てやる」

水原蛍は竹田のほうを向いた。

「竹田、子どもたちのことお願いね。あんたになら任せられる」

「おまえは思いっきり滑ってこい。気晴らしくらいしてこいよ。こっちは任せとけ」

水原羽は九条雅の隣に立っていた。

「おばあちゃんは滑らないの?」

九条雅はちらりと孫を一瞥する。

「このガタガタの身体で転んだら、そのまま葬式の段取りしてもらうことになるわよ。滑ってる場合かって...

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