第47章

「うわ、痛い、本当に?」

「でも話は変わるけど、蛍、今夜は本当にラッキーだね。一方は高橋様、もう一方は従兄、二人の大物があなたを巡って競い合っている。ああ、これが恋だ、これが美しいロマンスの始まりだよ!」

水原蛍は太田まどかが空想にふけるのを見て、仕方なく額を押さえながら言った。

「あなた、私をあまり神格化しないで」

「蛍、もし私の従兄と高橋逸人が同時にあなたを追いかけたら、どちらを選ぶ?従兄を選ぶ?」

水原蛍は迷わず首を横に振った。

「選ばないし、それに、従兄も私を見向きもしない」

「じゃあ高橋逸人は?」

水原蛍は少しためらいながらも、再び首を横に振った。

「それも違う、...

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