第222章 いい匂いだね

藤原は林田をきつく抱きしめた。声のトーンが落ち、どこか哀願するような響きを帯びる。

「……そこが痛えんだよ。張り裂けそうなくらい痛い。これ、破裂すんじゃねぇのか?」

一瞬言葉を詰まらせ、彼はまた問いかけた。

「お前、どうにかする方法知らねぇのか? だったら早く病院に連れて行け……」

藤原は今にも泣き出しそうな顔をしている。だが、彼が情けない姿を見せれば見せるほど、林田は笑いがこみ上げてくるのを抑えきれなかった。

彼女は必死に口元を引き締め、吹き出すのを堪える。

こんなことで病院に担ぎ込んだりしたら、明日正気に戻った彼に八つ裂きにされるに決まっている。

まあいい。乗りかかった船だ...

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