第240章 彼女が先に

林田山が警察から釈放されたとの知らせを受けた水原祥子は、林田清を連れて病院へ行き傷の手当てを済ませると、すぐに身柄を引き取りに警察署へ向かった。だが、彼はすでにおらず、完全に行き違いになってしまった。

何度電話をかけても繋がらない。不安は募るばかりで、水原祥子は結局一睡もできずにリビングで朝を迎えた。

翌朝、玄関の開く音が聞こえた瞬間、祥子は弾かれたように飛び出した。林田山の無事な姿を確認し、安堵の息が漏れる。

「昨日はどこに行っていたの? 電話にも出ないで……どれだけ私が心配したと思ってるの!」

林田山は疲労困憊といった様子で、ひどく顔色が悪い。彼は水原祥子の横をすり抜け、大股で奥...

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