第251章 キャッシュカード

月明かりが窓から病室に差し込んでいる。ソファーで仮眠をとっていた藤原深の体が突然ビクリと震え、彼はカッと目を見開いた。額には脂汗が薄っすらと滲んでいる。

彼は胸元を強く押さえ、ハァハァと荒い呼吸を繰り返した。先ほどの悪夢から、まだ抜け出せていないようだ。

夢の中で、林田ククは燃え盛る家屋に取り残されていた。黒煙が充満し、炎が天を焦がす勢いで燃え広がっていた。

林田ククは泣き叫びながら彼の名を呼び、助けてと懇願していた。

だが、どれだけ藤原深が足掻こうとも、彼と火の海の間には見えない壁が立ちはだかっているようだった。どうしてもそこを通り抜けることができず、ただ林田ククが紅蓮の炎に飲み込...

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