第254章 此の世を去る

佐藤時言は乱れた呼吸をようやく整えると、静かに問いかけた。

「林田さん、お祖母さんの容態は?」

林田ククは瞳を暗く翳らせ、消え入りそうな声で答える。

「まだ処置中なんです。結果は……わかりません」

先ほど看護師に呼ばれ、告げられた内容は絶望的なものだった。祖母は心臓血管の多箇所破裂による大量出血を起こしており、医師たちが懸命に縫合を試みているものの、成功率は限りなくゼロに近いという。

看護師は、これ以上の延命は患者にとって苦痛でしかないと、暗に諦めるよう諭してきた。

だが、林田ククにはそれができなかった。祖母がこのまま逝ってしまうのを、ただ黙って見過ごすことなど到底できない。たと...

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