第264章 不一致

林田ククは、それほどまでに俺を嫌っているのか?

あと一秒たりとも夫婦でいることすら拒絶し、一刻も早く俺を切り捨てようとしている。

一瞬、藤原深は自分が滑稽に思えてならなかった。

彼女の態度がこれほど頑ななら、引き留める言葉などない。彼女がいなければ生きていけないわけでもあるまいし。

藤原深は不機嫌さを隠そうともせず車を走らせた。駐車場に車を止めると、林田ククの方へ歩み寄る。

彼の姿を認めるなり、林田ククは区役所へと踵を返した。催促の一言も忘れない。

「早くして」

「……」

そんなに急いで、何処へ生まれ変わるつもりだ?

婚姻届の窓口から聞こえる談笑とは対照的に、離婚届の窓口は...

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