第282章 自首しに

林田ククはちらりとスマホに目を落とし、その奥に含みのある光をよぎらせてから口を開いた。

「それ、お爺さんがわたしにくれた物よ。返すにしてもお爺さんに返すわ。あなたに渡す筋合いなんてないでしょ」

青山静の顔色がさっと険しくなり、テーブルをバンッと叩く。

「無礼なことを言うんじゃないわよ!」

林田ククは口の端をぴくりと引き上げた。

「無礼だと? もうとっくに藤原家の人間でもないのに、どうしてあなたを敬わなきゃいけないのかしら」

そこで一度言葉を切り、青山静の引きつった顔など見もしないで続ける。

「それに、わたしは藤原雲楽に謝るつもりなんてない。先にわたしの職場まで押しかけてきて騒ぎ...

ログインして続きを読む