第308章 事件発生

閉廷後、藤原深は真っ先に立ち上がり、林田ククに声をかけようとした。しかし、向かってきた真城流武と鉢合わせてしまう。

真城流武は富裕層の知人が多く、頻繁にパーティーにも顔を出しているため、藤原深とも会釈を交わす程度の面識があった。

裁判に負けた直後で少し機嫌が悪そうだったが、藤原深の姿を認めると声をかけてきた。

「藤原社長、今日はどうしてまた傍聴に?」

林田ククのことで頭がいっぱいだった藤原深は、適当に相槌を打って会話を切り上げる。急いで彼女の方へ振り向いた時には、すでにメディアの群れに囲まれた後だった。

閉廷するや否や、元々林田ククに興味を抱いていた記者たちが一斉に群がり、彼女を逃...

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