第311章 君に何かあるかと心配で

バスタオルを巻く際、林田ククはあまりきつく結んでいなかった。藤原深の胸にぶつかった瞬間、タオルがふいに緩み、今にもずり落ちそうになった。

林田ククが反応するより早く、大きな手が素早くバスタオルを押さえつけた。その位置は寸分の狂いもなく、彼女の胸の膨らみの上だった。

空気が凍りついたかのようだった。藤原深は呆然とした。ただずり落ちるバスタオルを押さえようとしただけで、こんな気まずい場所に触れてしまうとは思いもしなかったのだ。

いくら長年連れ添った夫婦で、互いの体を隅々まで知り尽くしているとはいえ、藤原深は気まずさを感じていなかったが、林田ククは全くそうは思えなかった。

次第に赤く染まっ...

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