第323章 秘密

「お前が言っているのは……林田ククのことか?」

林田山は表情を険しくした。

水原祥子は唇を噛み締め、無言のままその問いを肯定した。

実際のところ、彼女自身も林田の先代の死に関与している。でなければ、今これほどまでに動揺するはずがないのだ。

あの時、林田山は林田家を完全に掌握しようと目論んでいたが、先代は頑として実権を譲ろうとしなかった。それどころか、代理人を立ててでも、養子である林田山に林田家を委ねることを拒んだのだ。

役員会議で先代が代理人を探すと発表した時、林田山は焦りに駆り立てられた。その日、帰宅するなり彼は自分の考えを水原祥子に打ち明けた。

当時の水原祥子は、林田山が会社...

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