第326章 素性不明の孤児

林田ククがその場を去ると、林田山はようやく芯から安堵の息を吐き出した。これで会社を横取りされる心配はなくなった。彼と林田お爺さんの間には、少なくとも養子縁組という関係がある。会社を継ぐ名分としては申し分ない。

一方の林田ククはどうだ?彼女は何者でもなく、おばあちゃんの代理として訴訟を起こす資格すらないのだ!

林田清は、林田ククのこれほどまでに惨めで狼狽した姿を滅多に見られないとばかりに、待ちきれない様子で追い討ちをかけようとした。

彼女が後を追おうとしたその時、水原祥子に引き止められた。

「どこへ行くつもり?」

林田清は林田ククが消えた方向をちらりと見た。

「決まってるでしょ、あ...

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