第352章 浮気相手を養う

以前であれば、田中海鳥がこのような事に首を突っ込むことなど絶対にあり得なかった。ましてや、妻である自分に青山静の機嫌を損ねるような真似をさせるはずがない。何しろ、彼らはまだ青山静に頼み込まなければならない事をいくつも抱えていたのだから。

この一件について、佐藤梓紗はずっと不審に思っていた。しかし田中海鳥は一向に口を割ろうとしない。彼女はその時、林田ククが藤原深を動かして田中海鳥と交渉させ、会場を明け渡すよう脅しをかけたから、彼は恐れて言えないのだと思い込んでいた。

もっとも、その言い訳もいささか強引ではあった。もし本当に林田ククが藤原深を介して会場の譲渡を求めたのなら、直接自分のところへ...

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