第367章 解約

彼女の涙を目にして、川崎司光はハッと怒りから我に返った。自分が少しきつく言い過ぎたことに、遅まきながら気づいたのだ。

幼い頃から川崎玲奈の成長を見守ってきた。これまでの長い間、彼女をきつく叱ったこともなければ、一滴の涙さえ流させたこともなかったというのに、今日に限って衝動を抑えきれなかった。

川崎司光は眉間を大きく引きつらせた。動揺を覚え、歩み寄って慰めようとしたまさにその時、川崎務と椎名愛麗が血相を変えて書斎に飛び込んできた。

泣きじゃくる川崎玲奈の姿を目の当たりにした川崎務は、たちまち胸を痛め、慌てて駆け寄ると心配そうに声をかけた。

「どうした? 何があったんだ」

ちょうど自室...

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