第397章 あなただけを想う

藤原深は動きがわずかに硬直し、喉の奥がきゅっと締まった。

「……どういう意味だ?」

見た目は平然としているのに、膝の上に置いた指先だけが、気づかれないようにそっと丸まる。

林田ククは、遠回しにするのをやめた。

「結局、わたしから何が欲しいの?」

感情に心力をすり減らすのは、もううんざりだ。藤原深と何年も縺れ続けた——それだけで十分すぎる。

藤原深は喉仏を上下させる。反感を買うのが怖くて、取り繕うように言った。

「俺は別に、お前から何かを——お前……」

「なら、よかった」

林田ククは紙ナプキンを抜いて口元を拭き、静かに、冷えた目で彼を見返す。

「何も欲しくないなら、これから...

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