第400章 卑劣な手段

藤原深は寝室を出て階下へ降りると、いつもの仏頂面に戻っていた。

すでに一階で待っていた田中申が、健康診断の結果を差し出す。

「奥様は大きな問題はありません。ただ、しばらくの間は……妊娠は難しいかと」

藤原深はそれを聞くなり田中申を横目で射抜き、機嫌の悪い声を落とした。

「お前も“跡継ぎ”ってやつを信奉してんのか?」

誤解されたと悟り、田中申は慌てて首を振る。

「いえ、そういう意味では……奥様がかなり気にされているようで。回復が長引けば、胸の中の棘になりかねません。奥様のほうから切り出すのは、たぶん難しいです」

「社長はもうパイプカットされているのに、どうして奥様にお伝えにならな...

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