第404章 触りきれない腹筋

神崎遠は不満げにまだ何か言い返そうとして、ふと何かに気づいたように顔色を変えると、いやに下世話な調子で食い下がった。

「お前、まさか俺に惚れてんじゃねえの? だから何度も探り入れてきたとか?」

自分で自分を納得させたらしい。考えれば考えるほど筋が通っている気がしてきたのか、腕を組んで椅子の背にもたれ、余裕しゃくしゃくで続ける。

「だからあんなにしつけぇんだな。あいつの身元。言っても信じねえし……お前さ、誰見ても『恋敵』に見えるタイプ?」

物言いはすっかり、いつもの女たらしのそれに戻っていた。

朝日明美は信じられないという顔でぱちぱちと瞬きをし、まるで寝言でも聞かされたみたいに言う。...

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