第429章 人を捕らえる

藤原深は車を飛ばして藤原岳川の家へ向かった。雲楽が身を隠せる場所など、そこしかない。

赤信号で停まった合間に、深は先回りして岳川へ電話を入れる。

その頃、岳川は青山静と通話中だった。受話器越しでも、静の焦りと胸騒ぎがひしひしと伝わってくる。

「お願い、絶対に雲楽を深に渡さないで。渡したら終わりよ」

そこまで怯える声を聞かされ、岳川は年長者としての威厳を揺さぶられた気がして、顔をこわばらせた。

「……あいつ、何様のつもりだ。俺に命令できるとでも? 安心しろ。雲楽は俺が守る」

保証を得て静はいったん息を吐いたが、まだ不安が拭えないらしく、小さく呟く。

「それなら、もう一度電話して―...

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