第494章 売る

目の前にいるこの「友だち」――他でもない、地元最大手の中古ラグジュアリー店のオーナー、星川だった。水原心柔が以前、デイビスのあのジュエリー一式を買ったのも、星川のところである。

芸能界の人間で星川を知らない者はほとんどいない。星川から仕入れた品なら間違いない、と皆が信頼する。値付けは正確で、目利きも容赦なく鋭いからだ。

星川の背後には、スーツにネクタイの若い付き人が一人。大きなバッグを背負い、二人そろって林田ククの後ろをうやうやしくついて、宝飾室へ入っていく。

現場の役者たちもほぼ星川に気づいた。林田ククの「友だち」だということに驚きつつ、なぜここへ来たのかと訝しむ。

林田ククは西側...

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