第507章 無理

嫌な目に遭うのが好きな人って、いるんだよね。

朝日明美は、なかったことにして流すつもりだった。なのに、コネ入社のあの人がわざわざ一言ぶっこんできた。

空気を悪くしたくない同僚たちが、慌てて間に入る。

「仕事してれば、ちょっとした誤解はあるよね。せっかくだしこの機会にちゃんと話して、これからも仲良くやっていこう」

同意の言葉が続く中、当の本人だけが、あえて“いい人”を演じる。

「私もそう思うんです。でも明美が撤回しちゃったから、何を考えてるのか分からなくて。まだ私に怒ってるのかなって」

「だって、私が明美の役を触ったのがいけなかったんですよね。権限を越えちゃったっていうか」

まる...

ログインして続きを読む