第508章 記者

藤原深の表情がみるみる曇り、記者たちを睨みつけた。

怯えはしている。だが、ゴシップを嗅ぎたい欲と、見出しを奪う執念が、ほんの一瞬だけ恐怖に勝った。

なにしろ藤原深のスキャンダルは、ほとんど出回らない。百年に一度レベルだ。

財界の御曹司なんて、別に一途でもなんでもない。隣にいる相手が入れ替わるのも珍しくない。

たとえば藤原深の従弟、藤原咲太。同じ藤原の血筋でも、品性は正反対だった。

藤原咲太は女遊びで名を馳せ、金も惜しまない。だから女たちが我先にと群がる。インフルエンサーから令嬢まで、少しでも見栄えがすれば選り好みなし。来る者は拒まず、だ。

そんな節操ゼロの男に、女同士が本気で殴り...

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