第517章 負傷

林田ククは固まったまま、ぱちぱちと瞬きをして、意味が飲み込めない。

佐藤時言は彼女の手からドライフラワーを受け取り、ゆっくりと言った。

「よく見ると、これ……君が立ち上げた日に、俺が君に頼んだ花にすごく似てる」

「え?」林田ククはぼんやり花を見て、それから佐藤時言を見た。頭の中の引っかかりが、少しずつほどけていく。

まさか——あの日届いた花、実は佐藤時言が贈ったものだったの?

思い出すのを手伝うみたいに、佐藤時言が続ける。

「その日、俺が人に頼んで君の家に届けさせた。カードも入れた。お祝いの言葉も書いたはずだ。……受け取ってないのか?」

林田ククは唇を結び、記憶をたどった。

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