第588章 事態の進展

林田ククがまだ何か言いかけた、そのとき。

藤原深のスマホが突然鳴った。

彼は画面を一瞥しただけで、黙って立ち上がり、ベランダへ出て通話に出る。

会社からだろうと林田ククは思い、気にせず自分は洗面へ向かった。

だが、受話口の向こうから聞こえてきたのは、泣き崩れた声だった。まるで最後の一本の藁にすがりつくように。

「藤原社長……社長だけが、わたしを助けられるんです……」

藤原深はまぶたすら動かさない。

「番号、間違ってんじゃないか。俺たちはもう、取引相手でも何でもない」

水原心柔は焦りきった声で畳みかける。

「今回だけ……今回だけ助けてください。これから先、何をさせられてもいい...

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