第600章 クズ

林田山は考えれば考えるほど腑に落ちず、夏川薫を見る目がじわじわと疑いに染まっていく。

神崎遠はそれを見て、慌てて朝日明美を引っぱってその場から離れさせた。あとでこの器の小さい一家に絡まれたら面倒だ。

「夏川薫。これは誰の子だ」

林田山は林田ククと藤原深がまだそこにいることも構わず、容赦なく問い詰めた。

「わたしのお腹の子が、あなたの子以外であるはずないでしょう。誰かが適当に煽っただけで信じるの? ひどい……そんなふうに疑うなんて、傷つくわ」

夏川薫は内心パニックだったが、表情だけは必死に被害者ぶってみせる。

以前なら通じたかもしれない。だが今の林田山は鉄のように硬かった。迷いの欠...

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