第602章 親切心

裏口では、林田清が林田陽を連れて出てくるところだった。二人の距離感は妙にぎこちない。親しいわけでもないのに、今だけは同じ側に立たされている――そんな空気。

そして二人は、人目を避けるように同じ車へ乗り込んだ。

神崎遠と朝日明美は、すぐさま追う。

およそ一時間後。前の車はゆっくりと速度を落とし、人里離れた一軒家の前で止まった。家は古びていて、年季が入っている。林田清は林田陽を連れて降り、そのまま中へ入った。

しばらくして、外へ出てきたのは林田清だけ。

張り込んでいた二人は思わず固まる。――どういうこと? 林田陽だけを中に置いてきたのか。

ここは道が入り組んでいて、車を追ってきたから...

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