チャプター 35

アーリントン・アカデミーでのここ数日は、幸福なほどに平穏だった。劇的な対立も、泣きじゃくる親も、夜のうちに謎の失踪を遂げる教師もいない。ただ、学び、成長したいと心から願う子供たちと過ごす、心地よい日常があるだけだ。

一番の大きな変化といえば、新しい教師がやってきたことだろうか。コリン・バレット――コロンビア大学を卒業したばかりの心理学専攻で、まるで幼稚園の教室より雑誌の表紙を飾る方が似合いそうな男性だ。二十三歳という若さで、高度な学位と子供の発達への純粋な情熱から生まれる、真摯で知的な魅力にあふれていた。幼児期のトラウマに関する共通の理論や、心を閉ざした子供を助けるための最善のアプローチにつ...

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