第六十八章

「こいつは今夜、俺の連れだ」彼は警備員にそう告げると、図々しいほど慣れた様子で私の腕を掴もうとした。

私はとっさに身を引き、彼の感触に肌が粟立つのを感じた。「あなたの連れなんかじゃありません。あなたのこと、知りもしないわ」

だが警備員は、ドウェインの自信に満ちた断言に納得してしまったらしく、すでに脇へとどいていた。

「おいおい、ベイビー」ドウェインは私の明らかな不快感もお構いなしに、にやにやしながら距離を詰めてくる。「恥ずかしがるなって。俺と一緒なら絶対楽しいからさ」

「嫌だと言っているでしょう」私はきっぱりと返し、通りに向かって後ずさった。「私は別の人と会う約束があるんです」

ドウ...

ログインして続きを読む