真実は彼女の手に

ハーパーはエレベーターを降り、角を曲がってロビーに入ったところでエルシーにばったり出くわし、思わず足を止めた。エルシーは彼女に気づくとサングラスを外し、一歩、また一歩とハーパーに近づいてきた。

「デュークさん、あなたに知っておいてもらうべき真実があるの。場所を変えて話しましょう」さっきの説明を終えたばかりのエルシーが、今度はさらなる真実を明かそうとハーパーに向き直って言った。ハーパーはエルシーの言葉の信憑性を疑わずにはいられなかった。

「時間はないわ。それに、あなたの言う〝真実〟とやらに興味もない」彼女はエルシーの脇を通り抜けて立ち去ろうとしたが、エルシーに引き止められた。

「ハーパー、もしあ...

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