ザ・スウィートネス・シャッタード

ハーパーがタヤに帰国したことを伝えようと携帯電話を取り出したその時、ドアの外で車の音が聞こえた。

音のした方を見ると、プレストンが助手席のドアを開け、エルシーを引きずり出しているのが見えた。

プレストンがエルシーを家に連れて帰ってきたのを見て、ハーパーの心は沈んだ。朝の甘い時間は、一瞬にして消え去ってしまったかのようだった。

心が血を流しているような気がしたが、どうすればいいのか分からなかった。

ただそこに座り、入ってくる二人を呆然と見つめることしかできなかった。

プレストンはエルシーを中に連れ込むと、彼女の手を放し、ハーパーの前に突き飛ばした。

やや戸惑いながらも、ハーパーは顎を上げ、冷たい...

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