第200章

藤野拓介の顔に残っていた甘い情熱の余韻は瞬く間に引いていった。端正な眉間には深い皺が刻まれ、その深淵のような瞳には隠しようのない殺意が宿っている。

「万火組織……」

彼は低い声で、嫌悪感を露わにして言った。

「掃き溜めに隠れて日の目を見ないドブネズミの群れだ。金さえ貰えればどんな汚れ仕事でも請け負う連中だ。俺と、奴らの背後にいる勢力とは、決して相容れない」

『血色』というコードネームに関しても、彼には全く心当たりがないようだった。ただ冷ややかに鼻を鳴らす。

「どうせ捨て駒として送り込まれた雑魚だろう。取るに足らない」

千鳥凪紗は彼の瞳に渦巻く凶暴な気配を見て、事態が彼の言うほど軽...

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