第207章

上村暁は首を横に振った。その口調は淡々としているが、拒絶の意志は固い。

「職業倫理に反する。依頼人の情報は明かせない」

彼は一呼吸置いてから、補足するように言った。

「ただ、おそらく『血色』が受けたんだろう。『万火』組織の内部は謎が多いし、ヒエラルキーも厳格だ。俺たち『神世』であっても、核心情報に触れるのは難しい」

千鳥凪紗は得心がいったように頷いた。

彼女はコーヒーを一口啜ると、ふいに何かを思いついたように瞳を巡らせ、上村暁に向かって悪戯っぽい笑みを向けた。

「じゃあ、こうしましょう。その依頼、あんたが私の代わりに受けるの。賞金が入ったら山分けってことで」

「……」

「私が...

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