第23章

千鳥司夫と高村美玲は、ようやく満足げな表情を浮かべた。

「これでこそね」

高村美玲は歩み寄ると、千鳥凪紗に高価なダイヤモンドのジュエリーセットをつけさせながら、口早に言い聞かせた。

「今夜はA市の有力者ばかりが集まるのよ。機転を利かせて、愛想よく振る舞いなさい。余計な口は利かないこと。特に高村会長は主催者なんだから、粗相のないようにね」

千鳥凪紗の指先は冷え切っていた。鏡に映る見知らぬ自分の姿を見つめ、唇の端を冷笑に歪める。

チャリティー晩餐会は、市中心部の最高級ホテルの宴会場で催されていた。

煌めくクリスタルのシャンデリアの下、着飾った男女がグラスを交わし、華やかな香りと談笑が...

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