第7章
煌がそう簡単に諦めるはずがないと、分かってはいた。
私が病院を半ば無理やり退院してから三日後、彼は両親の診療所に現れた。
私は奥の事務室で、授乳のスケジュールと診療所の仕事をどう両立させるか頭を悩ませていた。そのとき、受付から母の声が聞こえてきた。
「申し訳ありませんが、風花は今、誰とも面会しておりません」
「葦原さん、お願いします。五分だけでいいんです」
煌の声。心臓が激しく脈打ち始める。
「嵐峰さん.......もう、十分でしょう」
「私はただ、自分の息子に責任を果たそうとしただけです」
診察室の方から父の足音が聞こえてきた。きっと声が大きかったせいで、様子を見...
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