チャプター 1086

家を出てからずっと、クラウスは電話を耳に当てていた。相手はテディだった。

「いつから俺はお前に指図されるようになったんだ?」

テディは、一人娘が雪の中で凍えるまま放置されていたことを知り、激昂してクラウスに詰問の電話をかけ続けていたのだ。

クラウスは相手にする気になれず、手短に理由を告げて電話を切った。彼はそのまま歩き続けた。すると突然、爆笑する声が聞こえてきた。クラウスが振り返ると、数人の子供たちが脇で雪合戦をしているのが見えた。

彼は足を止めた。そこには、昨日彼から二千ほど巻き上げたあの少女が、雪合戦に興じている姿があった。

小さな雪玉を作ると、彼女は自分より年上の少女に向かって...

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